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2013年5月30日

『財界にっぽん』6月号/「加害者『週刊ポスト』の小学館を益するだけの悪質狡猾な地裁判決(下)」


 月刊誌『財界にっぽん』6月号に、5月号からの続編として「加害者『週刊ポスト』の小学館を益するだけの悪質狡猾な地裁判決()」が掲載されました。記事は、宗教ジャーナリストの室生忠氏によるものです。

『財界にっぽん』6月号表紙

 記事では、(株)小学館の『週刊ポスト』201064日号の記事、「韓国農民にあてがわれた統一教会・合同結婚式日本人妻の『SEX地獄』」が東京地裁民事部によって名誉棄損と認定された裁判で、「角田洋平『週刊ポスト』記者の取材に応じてトラブルの主原因になった、中西尋子・関西学院大学非常勤講師の不可解な言動も表面化した」としてその背景を検証。「日本の宗教学者、宗教社会学者を取り巻く特殊な環境が透けて見えてくるのである」と述べています。

 記事では、宗教社会学者である中西氏が、複数の在韓日本人妻を対象に直接の「聞き取り調査」を実施し、客観的なレポートや発言を続けていた一方で、『宗教と社会』学会・第14回学術大会(200664)で、「やはりためらいはかなりありました(中略)もし論文を書いて『教団を肯定している』と受けとられたら、仕事がなくなったらどうしようか、と思いました」等と「言い訳じみた、奇妙な発言を行って注目された」ことに着目。その理由として、かつてマインド・コントロール論を否定した櫻井義秀北大教授の論文が「青春を返せ訴訟」(統一教会脱会者が起こした裁判)において、「マインド・コントロール論で入信を説明することはできない」主張として採用された際、「外部の反統一教会勢力から激しい櫻井バッシングが起きた」ことを挙げています。

 「〈(櫻井氏は)統一教会を批判する原告弁護士からは『あなたの論文が統一教会擁護に使われているが、それを承知でマインド・コントロール論批判をされたのか』との批判を受けた。/また、フォトジャーナリストの藤田庄市からは『統一教会の犠牲者たちを、うしろから斬りつける役割をあんたはやったんだよ』との忠告を受けたという。/ここでは、特定の理論の学問的正当性をめぐる議論を越えたところで社会的現実は展開している。こうした体験から、自分が書いた論文の社会的影響力について深く考えるようになったという〉」(伊東雅之・愛知学院大学准教授『岩波講座・宗教2/宗教への視座』)

 記事ではその後の櫻井教授の豹変について、「学者が社会的影響力を考慮してそれでも地球は回っている〝という学問的正当性を放棄してしまう。客観的言説すら外部圧力勢力に簡単に屈してやめてしまう。要するに学問・真理の自己否定である」と批判しています。

 続いて記事では、『週刊ポスト』記事を名誉棄損とした、東京地裁民事部判決に話題を移し、同判決について「きわめて被告優遇の偏頗性に偏り、判決構成も杜撰にすぎるように思われる」と批判。その理由としては、判決文は、原告・統一教会が名誉棄損と主張する計8か所の記述について、(名誉棄損の判断を構成する)記事の公共性、真実性、事実相当性の3要素に正確に言及していないことを指摘しました。特に、櫻井教授と中西講師の共著『統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福』や両氏のコメントを基にした記述に関しては、「真実性の最終判断を放棄して、『(両氏は)現代宗教を学問的に研究している者である』『本件書籍は学問的な価値を評価された学術書であ(る)』など、いかにも度を越した権威主義的な理由付けで強引に真実相当性を認めてしまっている」と述べ、「学者〝から聞いた話だ、学者の書いた本〝ならすべて真実相当性があると言わんばかりで、なんとも無責任な判断基準」と指弾しています。

 記事ではさらに、『週刊ポスト』記者が「SEX地獄」のインパクトを強めるために3人の女性信者の片言隻句を一人の証言に集約し、実在しないAさんなる人物を創作したことを「最大の問題点」として指摘。その上で、判決が「(原告は)信者Aのエピソードは被告の完全なねつ造であるなどと主張するが、個々のエピソード自体は真実であり、(中略)エピソードの主体が1名か3名かが本質的に重要であるとは認められない」と「ねつ造」を否定したことに言及し、「そもそも原告が主張している名誉棄損の対象には、SEX関連の表記だけではなく、『SEX地獄』が韓国の『貧しい農民』(リード)に嫁いだ『貧しい環境』(本文)で起きている、という記述そのものが含まれている。信者『Aさん』についての記述はまさに原告のその主張に関連するものであり、その訴えを無視した『ねつ造』否定の判決は偏頗の謗りを免れない。この『週刊ポスト』の手法が認められるなら、片言隻句を恣意的によせ集めたどんなコメントの創作、記述も許されることになるわけで、判決は報道の本質と使命をまったく理解していないのだ」と述べ、東京地裁は「重大な判断ミスを犯している」と断じています。

 記事では最後に「エピソード」として、記者らを指揮して記事作成を担当した編集部員のH氏について、「統一教会と裁判係争中の2012523日、東京・港区の自宅マンションに乾燥大麻0.7グラムを隠し持っていた大麻取締法違反(所持)の容疑で逮捕されて、小学館を懲戒解雇されていた。月刊『創』2012910月号によれば、H氏は大麻のほかに覚醒剤やコカイン、MDMAなども乱用しており、同年7月に懲役2年執行猶予3年の判決を受けている」ことを紹介。この不祥事に対して『週刊ポスト』が2012713日号に掲載した「お詫びとご報告」内に書かれた「(報道に関わる者には)より高いモラルと行動規範が求められる」との記述を引用し、「薬物乱用という『より高いモラルと行動規範』を欠落させた編集部員によって作られた週刊誌記事は、批判されるべくして批判される現実を招いたというべきだろう」と皮肉り、8ページにわたった記事を締め括っています。 

※関連記事

・『財界にっぽん』5月号に、「週刊ポスト」裁判に関する記事  

「週刊ポスト」名誉毀損訴訟で統一教会が勝訴(統一教会公式サイト)

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中西尋子氏に抗議(統一教会公式サイト)  

「週刊ポスト」報道で、中西尋子氏に抗議申し入れ/本人は弁明に終始(統一教会公式サイト) 

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  • 我らの不快な隣人

    ルポライター米本和広氏が、拉致監禁によって引き起こされたPTSD被害の実態をレポート。

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  • 日本収容所列島

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