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2013年12月2日

佐賀大学の「宗教迫害」裁判の口頭弁論が開かれる


被告・森准教授が大学の責任を認める供述

 佐賀大学の女子学生が「信仰の自由を著しく侵害され、名誉を毀損された」として佐賀大学と同大学文化教育学部准教授・森善宣氏を訴えた民事訴訟の口頭弁論が、去る11月29日(金)午後に佐賀地裁で開かれ、原告と被告の本人尋問が行われました。

 提訴した女子学生Aさんは6000双の祝福家庭の二世で、被害にあった当時は佐賀大学3年生でしたが、現在は卒業して社会人として働いています。訴状によると、原告のAさんは2012年2月10日、森准教授の研究室に呼び出された際、森准教授からAさんの信仰を軽蔑・侮蔑する発言を繰り返され、加入しているCARP(原理研究会)及び統一教会からの脱会を執拗に迫られました。

 さらに森准教授は、原告であるAさんの両親の信仰にも言及し、統一教会の合同結婚式を「犬猫の結婚」であり、Aさんの家族の生活は「犬猫の暮らし」などと侮蔑しました。Aさんらは、大学と森准教授に対して、誠意ある謝罪等を求めてきましたが、大学側が応じなかったため、同年5月17日に佐賀大学と森准教授を佐賀地裁に提訴しました。

 口頭弁論では、初めに原告のAさんに対する主尋問が行われ、佐賀大学の構内に貼られていた統一教会やCARPを名指しで攻撃したビラについて、「すごく傷つき、精神的苦痛を感じました。国立大学でありながら、大学当局が特定の宗教を攻撃迫害するというのはとんでもないと思いました」と供述。さらに、森准教授の暴言についても、「私のアイデンティティである信仰を否定された上に、両親の結婚を否定され、一方的にひどい言葉で侮辱されたことに、とても深く心が傷つきました」と述べました。

 供述の途中、原告席に座っていたAさんの母親がハンカチで顔を覆って泣き始め、その声が聞こえてくると、Aさんも涙ながらに切々と訴える供述をはじめ、傍聴席にも涙を流す人が多数見られました。

 最後に「大学が学生の信仰を破壊する活動をしていることについて,どう思いますか」と尋ねられたAさんは、「絶対に許されないことだと思います。二度とこのようなことが起こらないよう裁判所で正しい判断をしてもらいたいです」と訴えました。

 Aさんに対する反対尋問では、被告・佐賀大学側の弁護士が統一教会が敗訴した裁判についてどう思うかなど、訴訟内容と無関係の質問をして論点をすり替えようとしたため、原告側の弁護士が異議を申し立て、互いに怒鳴り合うなどの緊迫した場面が見られました。

 続いて、被告・森准教授の主尋問では、Aさんに対して棄教を強要したことは否認したものの、統一教会に対する否定的な発言をした事実と、その表現が節度を逸脱した発言であったことは認め、「反省している」と述べました。

 森准教授自身の代理人に続いて、被告・佐賀大学の代理人による尋問がありました。代理人の質問の意図は、今回の森准教授の言動が大学職員としての職務執行ではなく、あくまで個人的な行為であったとの供述を引き出そうとしたものでしたが、それに対して森准教授は、「大学の教員は学生の生活指導も行うように大学から言われている」「Aさんに対する発言は、学生に対する生活指導の一環として行った」「教員としての行動か、個人としての行動かを区別するのは難しく、それらは渾然一体となっている」などと供述し、大学の責任を否認させようとした佐賀大学の目論見は完全に外れました。

 口頭弁論の冒頭で裁判長は、この裁判の争点は、森准教授の言動が①公権力の行使に当たるか、②不法行為に当たるか、③佐賀大学の職務として行われたか――にあると整理しました。森准教授の暴言は原告のAさんによって録音されており、反訳が証拠として提出されているため、事実関係の争いはほとんどなく、それが信仰の自由を侵害し、名誉を毀損するものであることは誰の目にも明らかです。そこで被告の佐賀大学は、この責任を森准教授一人に押し付け、大学の責任を回避しようとしたわけですが、大学側の主張と森准教授の供述に齟齬が生じてしまったため、矛盾を露呈する結果となってしまいました。

 最後に裁判官自身が森准教授に「原告Aさんに対する発言が学生に対する生活指導の一環であったというが、その理由を述べてください」と質問すると、森准教授は「学生が誤った道に行ったなら、そこから連れ戻すのが大学の教員としての責務であり本分だと思っている」と述べました。この発言は、自分の行為が教員としての職務の一環であったことを認めると同時に、自分の行為は信念に基づいたものであり、本質的には反省していないことを表明したにほかなりません。

 このように統一教会の二世信者やCARPの学生が大学の教職員から信教の自由を侵害される事件は全国で起こっており、佐賀大学の事件は「氷山の一角」に過ぎません。その背景には、「カルト対策」と称する大学当局によるあからさまな宗教迫害があります。Aさんが供述したように、この裁判で正しい判断が下され、二度とこのような被害が起こらないようにしてほしいものです。

 

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