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宇佐美隆さんの第五回公判!

 
 7月4日(月)ストーカー規制法違反容疑で起訴された宇佐美隆さん(42)の第五回公判が東京地方裁判所で開かれました。
 
 40数席の傍聴席枠に、同裁判では最多となる166名が傍聴抽選券を求めました。 
 
  同公判では、被告人側の証人として、告訴人である女性の当時の上司役であった足立青年部のN青年部長、宇佐美さんの母親、そして宇佐美さんが逮捕される前日に宇佐美さんと会話を交わしていた練馬教会教会長の3名が法廷に立ちました。

 
 最初に証言を行なったN青年部長は、
「足立青年部は1998年頃から30名以上もの信徒が『拉致監禁』の被害に遭っており、その内のおよそ1割が『偽装脱会』により帰還しました」と前置き、2008年1月に告訴人との連絡が突然途絶えた際も「拉致監禁だと思った」と証言。 

 その理由として、2000年頃から告訴人に対する拉致監禁の予兆があったことを説明しました。同時に、そのような事態に備え、告訴人が幾度も「偽装脱会」のトレーニングを受けていた事実に触れ、2008年12月に告訴人から統一教会本部宛に脱会届が送付された後に、電話で告訴人と会話した印象からも、
「『偽装脱会』をしているか、脱会届を無理矢理書かせられたのではないかと直感した」と言及しました。

 また、告訴人による証言内容の中で、
「家族との話し合いが始まったと、(告訴人の)父親から教会に連絡した」という証言がありましたが、N青年部長は
「そのような連絡は無かった」と告訴人の主張を否定しました。
 
 裁判官からは、N青年部長が宇佐美さんに対して「(告訴人を)探すのは諦めて、解放されるのを待つしかない」と語ったという調書の記述について、
「あなたがキッパリと『(婚約を)諦めたほうが良い』と伝えていれば、このようなことは起きなかった、とは思いませんか」と質問しましたが、N青年部長は
「例えそのように伝えていたとしても、宇佐美さんは直接、本人の意思を確認するまでは諦めなかったと思います」と明言しました。
 
 N青年部長は最後に、「工藤さん(告訴人)が、宗教上ではなく、事実上の婚約者であった宇佐美さんに対して、大人としての『常識的な責任』を果たしていれば、こんなことにはならなかった」と本心を述べ、証言を終えました。
 

 続いて法廷に立ったのは宇佐美さんの母親。証言の中で、告訴人について「隆と結婚すると思っていた」と両親も認める婚約者であったことを追認し、具体的に宇佐美さんが実家のある宮崎県に「婚約者」として告訴人を連れ帰省したエピソードなどを挙げました。

 また、実家に告訴人から宇佐美宛の荷物が届いたことについて、「何故、東京にいる本人に直接ではなく、私達(実家)に送ったのだろう」と不思議に思ったことにも触れました。

 最後は、N青年部長と同様に、「本人が難しければ、親御さんから一言でも御相談戴いていれば、このようなことにはならなかった」と無念さを隠しませんでした。
 
 最後に、宇佐美さんの所属する練馬教会の教会長であり、逮捕の前日に宇佐美さんと一対一で話す場を持っていたY教会長への尋問では、
「宇佐美氏は工藤さんの本心を確認したい一点で女性を探していた。サウナで偶然にも工藤さんと再会できた後、宇佐美さんは『工藤さんは変わってしまっていた。諦めて前に進みたい』と次の結婚へ向かうことを希望していた」と、当時の宇佐美さんの心境について証言しました。
 
 3名に対する証人尋問の後、取調官による宇佐美氏の取り調べ状況(2月13日)に関する証言の任意性を争う答弁が弁護人より行われ、以下の主張が宇佐美さんより成されました。

 宇佐美さんはその調書について、裁判で被疑事実の決定的な証拠となるという認識が全くないまま、取り調べに応じたと前置き、
 

1.取調官により、「待ち伏せ」「つきまとい」といった表現、および杉並のサウナで告訴人と再会した祭に「工藤さんに義務にないことを要求したことを認めます」等の記述を、本人(宇佐美)が供述していないことを記載され、「私(宇佐美)の認識と異なるので訂正もしくは削除して欲しい」と求めたが、取調官は「これは宇佐美くんの作文じゃないから、訂正できない」と高圧的態度で拒否された。

2.取調官が本人に対して、調書の文末に「二度とこのようなことを起こさないようにします。前向きに歩んでいきたい」等の記述を含めることを「検事の印象が良くなり、罪が軽くなるから」との理由で勧めた。

.2月13日の取り調べは、朝8時〜夜9時頃という長時間にわたり、その間休憩は食事休憩のみであった。その上で、取り調べの最後に取調官より「10分間で全てを見直して捺印を押すよう」指示され、極度の緊張感と長時間の取り調べによる疲労のため、思考が困難な状況下にあった本人(宇佐美)は、その旨を取調官に伝え「明日にして欲しい」と頼んだが、「日付が変わると無効になる。最初から取り調べをやり直さないといけなくなる。どうしても今日中に捺印を押してくれ」と「懇願」され、本人も丸一日かかる取り調べをやり直すことは望まなかったので、不本意ながらも捺印を押してしまった。


 上述の主張から、宇佐美さんは突然の「身に覚えのない」逮捕から受けた心理的ストレスによる睡眠不足と体調不良、加えて長時間に及ぶ取り調べによる疲労や取調官による圧力等の原因から、不本意な状況下で取調官によって恣意的に歪められた供述調書に署名捺印が押されたことを主張しました。
 
 宇佐美さんの主張を重く受け止めた裁判官は、宇佐美さんが「供述していない。訂正もしくは削除を要求した」とする記述に関しては、事実認定の根拠にしない考えを示しました。

 次回公判は、8月5日(金)13時半より同531号法廷。宇佐美氏の被告人尋問が主尋問100分、反対尋問50分で予定されています。
 
 なお当日の傍聴は今回同様、抽選になる可能性がありますので、東京地方裁判所の裁判所傍聴券交付情報をご確認下さい。
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