新着情報のページです。統一教会の信者に対する、拉致監禁・強制改宗について、その根絶を求めます

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2013年4月11日

後藤代表民事裁判の証人尋問が行われました。


 当会代表の後藤徹が、自身の拉致監禁・棄教強要に関与した親族や新津福音キリスト教会の松永堡智(やすとも)牧師、職業的改宗活動家の宮村峻(たかし)氏などを相手取って起こした民事裁判は、去る4月8日、東京地方裁判所において第14回口頭弁論が開かれ、原告側と被告側それぞれ1名づつの証人尋問が行われました。

 原告側証人として出廷したMさん(女性) は、被告・宮村峻氏の脱会説得により一度は統一教会を脱会した体験を持つ拉致監禁・強制改宗被害者です。同裁判では、原告である後藤徹氏の監禁部屋を訪れ、宮村氏や元信者らが行う説得現場を目撃した事実があったことから証人として選ばれました。

 Mさんに対する主尋問では、Mさん自身が受けた監禁説得に関する質問が行われ、後藤氏同様、宮村氏によってMさんの家族の判断や行動が制限されていた事実や、宮村氏が関与している父兄らの会「水茎会」によって監禁部屋が準備されたことなどが、監禁説得に加わった一人である実弟の証言などを交えて供述されました。

 長引く監禁下の精神状態についてMさんは、「来る日も来る日も同じ壁を眺めながら、ストレスで神経がキリキリと音を立てるようだった。(あまりの苦しさに)自分の存在をなくしてしまいたい思いにかられ、夜にはこのまま朝が来なければいい、と感じた」と、当時の苦痛を吐露。

 また、自身に対する宮村氏の脱会説得については、「そのような精神状態の中、宮村氏が一方的に浴びせる情報が、その真偽の確認もできないままに、刷り込まれるようだった」と証言しました。

 続いて、Mさんが氏族メシヤのために部屋に居座っていた、とする被告側の主張に対しては、「あり得ないし、その論理は理解に苦しむ。(当時、祝福結婚によって入籍もしていたMさんが)祝福を大事にしない(突如失踪し、夫に一度も連絡しないで無期限に過ごす)というのは教義に反する。それに、家族を伝道したいのなら、監禁部屋で四六時中向き合うよりも、自分が幸せな家庭を築き、孫の顔を見せたりする方が断然効果的だ」と強く否定しました。

 過酷な監禁説得に耐えかねたMさんが脱会を表明した後、脱会活動家らが「リハビリ」と称する期間中に、後藤氏の説得現場を訪れた場面については、次のように説明しました。

 「宮村さんや元信者で囲まれた後藤さんはうなだれ、彼らに罵声を浴びせられるがままでした。元信者たちがニタニタと笑いながら『お前は馬鹿だ。思考停止している』等と後藤さんを中傷する様子は、まるで一人を寄ってたかって苛める見世物ショーのようで嫌でした」

 また、他の元信者から事前に「数年間監禁されている人がいる」と聞いていたことも明らかにしました。

 Mさんに対する反対尋問では、被告側代理人から「保護説得が宮村氏の指導によって行われていた」ことの根拠について質問され、Mさんは、(陳述書を提出した)弟や親戚の叔母によって明かされた事実を証言。

 また「一連の脱会説得行為は、家族の心配や愛情に基づくもので、宮村氏の意志や指導によるものではないのでは?」という質問に対しては、「統一教会の信仰を持っていることを家族に伝えた時から、拉致監禁されるに至るまで、家族からは心配や反対の表明はおろか、質問すらなかった。ただの一度もなかった。もし、そのようなものがあったなら、腹を割ってしっかりと話し合う機会も持てたと思う。しかし、いきなり監禁された。(宮村氏は『保護』実行までは反対する素振りを見せないよう家族を指導するので)監禁は明らかに家族の意志ではなく、宮村氏の指導によるもの」と一刀両断にしました。

 反対尋問中では、自分が思うような証言を得られないことに苛立った荻上守生弁護士が、女性被害者であるMさんに対して、「イエスかノーで答えてくださいよ!」とすごむ場面もありました。

 続いて、被告側の証人として出廷した元信者のO氏(男性)は、自身も宮村氏の関与によって脱会した経験を持ち、脱会後は宮村氏が経営する広告代理店・タップ株式会社で働きながら、他の元信者らと共に脱会活動に従事してきた人物です。

 『親は何を知るべきか』(1997年発行・いのちのことば社)にO氏の妹が寄稿した手記には、「クレジットの支払い、保険料、アルバイト先への連絡を(家族に)要求」せざるを得なかった様子や、「信頼していたのに、裏切られた」「勝手に連れて来て」「このマンションも見ればわかります。改宗に使う部屋でしょ」「こんなことをしてよいと思っているのか!訴えてやる!」「みんなが裏切ってうそをついて、ここへ連れて来た。信じられない。立ち直れない」「このままでは社会的信頼を失うことになる」「『何だ、このマンションは!』と障子を蹴り壊す」といった言動が生々しく記されており、O氏が意志に反し不当に拘束されたため自由がなかった事実が明らかです。

 ところがO氏は主尋問では、「話し合いに入ることを自発的に同意した」、「自分が優位に立てば家族は自分の話を聞くと考えた」といった不自然な弁明に終始し、信憑性の欠如を印象づけました。

 O氏に対する反対尋問では、原告側代理人から「宮村氏はどのような人物か」と尋ねられたO氏は「素晴らしい人」と答弁。しかしその後、O氏自身の著書から、宮村氏が経営する広告代理店で働いていたO氏が、宮村氏の横暴な性格と理不尽なパワハラ的扱いに不満を募らせ、ついには喧嘩別れしたエピソードが読み上げられました。皮肉にも、被告側証人のO氏によって宮村氏の人間性が法廷で暴かれる結果となりました。

 また反対尋問では、妹の手記にある「どうしたらここ(説得現場)から出られるのかを、宮村さんに聞いてみたい」(p193)というO氏の発言について質問されると、O氏が「(監禁部屋から)親が出してくれなかったから」とうっかり口を滑らす場面も見られました。

 一方、反対尋問で答に窮したO氏が、自分に対する脱会説得は「家族の心からの愛情と心配によるもの」と訴え嗚咽する場面もありました。しかし、質問の趣旨に沿わない回答に終始したため、傍聴席にはしらけた空気も漂い、『親は何を知るべきか』P191に記された「どう見ても『うそ泣き』で、言っていることも論理のすり替え以外の何ものでもない」とのO氏の妹の記述が想起されました。

O氏の証言は、全体的に矛盾が多く、自身が書いたはずの陳述書と法廷での証言内容の食い違いも見られ、著しく信用性に欠けるものでした。

 次回は、5月14日(火)午前10時から午後3時まで、被告の後藤隆氏(後藤徹氏の兄)に対する本人尋問が行われます。場所は今回より10名ほど傍聴席の少ない709号法廷になります。法廷での傍聴は抽選になる予定ですので、開廷30分前までにお越しください(通常は、開廷時間20分前までに東京地裁玄関前の指定場所で抽選券が配布され、その場で抽選が行われます)。 


  • 我らの不快な隣人

    ルポライター米本和広氏が、拉致監禁によって引き起こされたPTSD被害の実態をレポート。

    ►第6章 掲載
  • 人さらいからの脱出

    世にも恐ろしい「人さらい事件」に関わった弁護士、牧師、マスコミ人らの非道な実態を実名で白日のもとにさらす。

    ►書籍紹介
  • 日本収容所列島

    いまなお続く統一教会信者への拉致監禁。小冊子やパンフレット、HP等で告知してきた内容をまとめました。

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