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世界学生新聞 号外 1993.5.15

ハッサン氏の経歴 浅見氏による捏造の疑いも

山崎さんの会見に合わせたかのように出版された「マインド・コントロールの恐怖」。
その著者である、スティーヴン・ハッサン氏が講演会を開いたり、テレビに登場するようになった。ところが、彼の経歴には、大きな偽りと握造があることが判明した。


「米統一教会副会長だった」
「米CARP会長だった」
「神山氏の12弟子の1人」
すべて真っ赤な嘘
犯罪的カルト組織との関係

ハッサン氏の経歴は、彼の本やマスコミの報道によると、「十八歳でアメリカ統一教会に入会し、二年半活動、教会副会長、CARP(原理研究会)会長まで登りつめた」となっている。
交通事故に遭ったことをきっかけに両親とディプログラマーの改宗を受け、脱会、現在アメリカでディプログラマーとして暗躍する人物である。
彼は、著書の中で、いかにして統一教会に入会し、活動し、脱会したかのいきさつを書いている。そこには、「私は元米国統一教会の副会長だった」とある。
ところが、原文では「I was made assistant director of the Unification Church at national headqu」となっており、「私は米国統一教会の副部長に任命された」と訳すべきものだ。この本を訳した浅見定雄氏の初歩的な誤訳か意図的な握造と思われる。
また、ジェイムズ・バーグマン米国統一教会会長から送られてきた書面には、「ハッサン氏が米国統一教会の副会長であったことは一度もない」「当教会の全国本部のいかなる地位にあったこともない」とあり、ハッサン氏自身も経歴を詐称しているということは明らかだ。
別の箇所で、ハッサン氏は「I was made CARP director」と書いている。 これを浅見氏は「カープの会長になった」と訳しているが、米国力iプでは通常 directorは会長ではなく、presidentが会長にあたるため、浅見氏の訳は事実を検証しないで行われた明らかな誤訳または捏造と言える。CARP directorとは通常CARP本部の部長とか学内サークルとしてのカープのリーダーだったと訳すべきである。この点について、トニー・ディバイン米国カープ会長にから「何らかのリーダーを務めたこともない」と回答があり、ハッサン氏の主張も全く根拠のない虚偽によるものであると言える。
さらに、ハッサン氏は「神山威前日本統一教会会長が『私をアメリカにおける十二弟子の一人にした』」と書いているが、神山氏は「十二弟子を作ったことは一度もない」と語っており、これも捏造であることが判明している。
また、ハッサン氏は、CAN(カルト警戒ネットワーク)という、犯罪的反カルト組織と密接な関係がある。CANは、CFF(市民自由協会)が母体で、CFFの創始者は、少なくとも三つの事件で有罪となっており、数えきれないくらい起訴されているテッド・バトリックだ。また、CANは、FBI連邦捜査局)から、非合法にアメリカ人を誘拐する組織であると示唆されており、CANの指導者の「人であるガレン・ケリーは、バージニアからワシントンDCに向かう着い女性を誘拐したかどで裁判を受けている。
元ディプログラマーでCFFのメンバーであったギャリー・スカーフは、CFFメンバーが行った統一教会員に対する虐待(誘拐、窃盗、強盗などの多くの事件を告白している(「現代の宗教迫害史」ジョン・ビアマンズ著 光言社)。
また、ニューヨークのある弁護士によれば、ハッサンは、一日三千ドル(三十三万円)をディプログラミングの報酬として要求するという。
果たして、このような入物の言動にどれだけ信愚性があるだろうか。
なお、統一教会側では、ハッサン氏と浅見氏のぐるになっての経歴詐称について、多くのメディアに抗議を行っているという。ところがいっこうに訂正されず、ハッサンは公然と、嘘の肩書きでメディアに登場し続ける。このような嘘を容認するマスコミの無責任さも指摘されるべきだろう。

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