
⭕拉致監禁は信仰だけでなく、人間としての根源的な部分まで根こそぎ剝奪する行為(徳川家当主 徳川家広氏)
米本和広著「我ら不快な隣人」への書評 徳永家広氏(PLAYBOY 2008.11)
■“親による拉致監禁は信仰を剥奪するだけにとどまらず、 信者が入信する以前から培ってきたもの、 人格といえばいいのか、信仰の土台である人間としての根源的な部分まで根こそぎ剝奪する行為なんですよ。
徳川家当主が言及していた。
“拉致監禁し拷問する親たちの愛は、どれだけまともなのか”- 家庭連合信者拉致監禁事件 https://t.co/auBKjpxhVe pic.twitter.com/C3xm7fhEab— あいだ けいこ (@SekaiShukyoNews) April 16, 2025
子供の困った信仰心を捨てさせるのに、拉致監禁のうえで、拷問としか思えないような「説得」を続けるという親たちの愛は、いったいどれだけまともなのか。それこそが、今回取り上げる「我らの不快な隣人」のテーマである。著者は、オウム真理教など、近年のカルト関係で読ませるルポを何冊か書いてきた米本和広だ。本書も丹念で情熱のこもった取材ぶりで、文句なしの力作と言えよう。
子供が統一教会信者になったことに慌てた親は、脱洗脳のエキスパートを自称する人たち(主にプロテスタントの牧師)の指示に従い、その協力を得て、集団でわが子を襲って連れ去り、マンションの一室に閉じ込めてしまう。そして、子供を罵倒し、恫喝し、時には暴力をふるって、なんとか信仰を捨てさせようとする。信者たちは家族の非道な扱いから受けた衝撃で心を病むようになり、強烈なアトピー症状を出す者もいれば、自殺してしまう者もいる。
問題の根っこにあるのは、脱洗脳エキスパートたちが、依頼してきた家族や、彼らが救うべき若者の幸せよりも、自分や自分の教団の利害を第一に考えて行動しているとしか思えない点のようだ。
みんな、生臭く、しかも目的をはき違えているのである。それに、わが子の言うことに、全然耳を貸さない親たち。結果として、統一教会に入信してしまうほどに混乱している若者たちが、ひたすら苦しむことになる。日本社会の実に嫌な、だが誰にでも覚えのあるであろう一面が浮き彫りになった、貴重な一冊だ。
PLAYBOY 2008.11 『我らの不快な隣人』米本和広著

「我らの不快な隣人」米本和弘(著)より信者は傷つき、「家族はバラバラ、親子関係は無茶苦茶」になるケースを知っているにもかかわらず、牧師たちはなぜ「”保護説得”しかない」と繰り返すのか。牧師たちが信者を脱会させる目的は、信者や家族の再生ではなく、統一教会をつぶす、あるいは信者をキリ...