【広島夫婦拉致監禁事件】民事裁判で勝訴! 監禁牧師らの不法行為認め、支払い命令
2020年2月18日、広島夫婦拉致監禁事件の民事裁判で広島地方裁判所が判決を言い渡しました。
この拉致監禁事件は広島在住の家庭連合信者夫婦がそれぞれ別々に拉致され、幼い二人の子供と引き離されて大阪市内のマンションに連行され、6日間に亘って監禁されるという極めて悪質な事件でした。
広島地裁は、拉致監禁され脱会強要の被害を受けたとする原告夫婦の主張を全面的に認め、西日本福音ルーテル教会「青谷福音ルーテル教会」の尾島淳義執事はじめ被告6人全員の不法行為を認定し、賠償金の支払いを命じました。
まだ地裁判決ではありますが、原告夫婦の主張が認められ、勝訴できてほんとうによかったです!
なお、被告側は一審判決を不服として全員控訴しました。従って、これからは広島高等裁判所で審理されることになります。
今回の地裁判決における賠償金額は次の通り。
原告夫に対して116万1200円
原告妻に対して165万2180円
合計281万3380円
判決文は「被告らが脱会説得のための手段として行った拉致監禁行為は、原告らの生命身体に対する重大な危険をも招来し得る悪質な犯罪行為というべきもの」と断罪しています。
今回の記事では事件概要とこれまでの経緯を簡単に見ていきますが、次回から数回に分けて判決文の一部を本サイトに掲載していきたいと思います。
それでは、この事件を簡単に振り返ってみます。
なお、以下に記す内容は全て今回の地裁判決で認定された事実です。
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2014 年7 月26 日、夫婦は広島市内でそれぞれの親族らによって別々に拉致された後、大阪市内のマンション5 階に連行されて監禁されました。
妻は、子供2 人(長女8 歳、長男3 歳=いずれも当時)を連れて広島市内の実家に帰省中、親族らよってタオルで口を塞がれ、両手両足を縛りあげられた状態で寝袋に頭まで全身押し込められ、さらにその上から“さらし”で縛られるという極めて暴力的な手法で拉致され、ワゴン車で大阪に連行されました。
一方、夫は、親族に騙されてワゴン車に乗せられ、途中頭に黒い布袋を被せられて両手を縛られ大阪まで連行されました。夫婦は幼い子供二人から無理やり引き離されたのです。
夫婦が監禁されたマンションの玄関ドアは、特殊なチェーンと南京錠によって二重に厳重に施錠され、窓も金具で固定され開閉できない状態でした。夫婦共に携帯電話を取り上げられました。
そこにキリスト教神戸真教会(神戸市)の高澤守牧師や西日本福音ルーテル教会「青谷福音ルーテル教会」(神戸市)の尾島淳義執事が現れ、夫婦に脱会を迫りました。
なお、この事件の2カ月前に高澤守牧師の口座に原告夫婦の両親たちから300万円が振り込まれていた事実が判明しています。
監禁6 日目を迎えた31 日未明、妻が隙をみて親族の携帯電話で警察に通報。およそ10 分後に駆けつけた警察官らの手で夫婦は解放されました。
夫婦は2014年11月、事件を主導した高澤守牧師らを広島西警察署に刑事告訴しました。ところが、高澤牧師が翌15年に自殺したこともあって、事件は起訴猶予により不起訴処分となりました。
事件関係者らの法的責任が問われず、このままでは再び拉致監禁される恐れがあったことから、2016年5月16日、夫婦は民事提訴に踏み切りました。
なお、訴状における原告夫婦の請求額は以下の通り。
(1) 原告夫の被った損害
ア 休業損害 金8万1600円
イ 慰謝料 金300万円
拉致監禁されたこと及びその間夫婦及び子供と別離の生活を強いられたことによる精神的損害
ウ 弁護士費用
金40万円
エ 損害総額
金348万1600円
(2) 原告妻の被った損害
ア 治療費 金2180円
イ 慰謝料 金300万円
拉致監禁されたこと及びその間夫婦及び子供と別離の生活を強いられたことによる精神的損害
ウ 弁護士費用
金40万円
エ 損害総額
金340万2180円
<この事件の過去記事のリンクを以下に記しておきます>
◎2014年11月8日記事⇒夫婦拉致監禁・脱会強要事件キリスト教神戸真教会の高澤牧師等を刑事告訴!
◎2016年5月20日⇒広島夫婦拉致監禁事件の被害者が民事提訴
◎2016年5月24日⇒広島夫婦拉致監禁事件・民事訴訟の訴状を公開(前半)
◎2016年5月26日⇒広島夫婦拉致監禁事件・民事訴訟の訴状を公開(後半)
◎2016年6月1日⇒夫婦で拉致監禁された被害者が民事提訴