
📰人権NGO「国境なき人権」(HRWF)が『日本 棄教を目的とした拉致と拘束』を公表し日本へ勧告
「国境なき人権」が家庭連合信者の拉致監禁問題を調査した報告書を世界に公表
2012年2月22日、欧州の著名な国際人権NGOである「国境なき人権」(Human Rights Without Frontiers、HRWF)(本部ブリュッセル)が家庭連合信者の拉致監禁問題について詳しく調査した報告書を世界に向け公表しました。

この報告書(『Japan Abduction and Deprivation of Freedom for the Purpose of Religious De-conversion』、『日本 棄教を目的とした拉致と拘束』)は以下のボタンから閲覧することができます。調査は、客観的なヒヤリングを積み重ねまとめられたもので、第三者機関による「拉致監禁調査報告書」として非常に価値があります。
「国境なき人権」調査報告書より「結語と勧告」
「国境なき人権」は客観的で信頼できるさまざまな情報源に当たった。その結果、近年減少しているとはいえ、長期間にわたり執拗に繰り返されてきた強制棄教を目的とする拉致の存在を確認できた。それらの情報源には、調査報道で有名なジャーナリスト、元国会議員、拉致被害者、拉致を行った親、弁護士、心理学者、宗教学者が含まれている。親たちや脱会カウンセラーに裁判所が下した判決文もまた、この問題の存在を裏付けている。(中略)
日本における拉致・監禁または身体拘束、いわゆる「家族の話し合い」や成人に対する「保護」、新宗教の信者に対し強制的に脱会カウンセリングをする等の行為は、人権の原則とは相容れないものであり、断固非難されるべきだ。こうした行為の故に、思想や良心の自由、宗教や信念の自由、移動の自由などが、公権力を有しない当事者の手で甚だしく侵害され、それを警察が黙認して彼らは何の罰も受けずにいる。市民はそれらの犯罪から保護されず、宗教の違いを理由に差別を受け、不公平に扱われている。
日本政府は、国際的な人権文化と社会の法規ならびに法的諸制度が一致するよう一層の努力をすべきだ。そして、国際的人権擁護義務に反するような国内の法執行機関や裁判所のあり方を是正すべきである。
勧告
日本政府に対して
- 法務省内に「宗教の自由に関するオンブズマン」を配置し、強制的に宗教を変えさせる目的での拉致および拘束によって宗教の自由が侵害されている状況を調査させる。
- 国会は、被害者、警察・司法当局および国際的な人権専門家、ならびにディプログラミングに対して変化してきた欧州人権裁判所や欧米各国裁判所の法的基準に詳しい人権弁護士らを招いて、公聴会を開くべきである。
- 警察庁は、本報告書に記述された事例が実際にどのように処理されたのかについて独立の内部調査を実施し、当該の犯罪捜査を継続するとともに、過去になぜ捜査をしなかったのか実態を究明すべきである。
- 警察と司法当局は、成人の子が宗教に関与した際、家族として採れる手だての範囲と限界について、一般市民に法律に基づく明確なガイドラインを周知させるべきだ。
- 警察と司法当局は、成人を監禁下で強制棄教させようとする拉致行為に直接間接に関与した人々を起訴すべきであり、刑事事件化を差し控えるべきでない。
- 公務員が当然の責任を果たさなかったり、犯罪実行者との何らかの結託が判明したりした場合は、然るべき懲罰を課すべきだ。
- 拉致・監禁の被害者たちに、公式に謝罪すべきである。
- 日本政府は「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の第一選択議定書に調印し、これを批准すべきである。
日本と世界の市民団体に対して
- 日本国民は法律違反行為を当局に通報し、もし当局が不作為なら抗議をするなどして、同国民を拉致犯罪から守るべきだ。
- ジャーナリストは家族による強要行為の事例を調査し、もっと世間に率直にアピールして、問題に対する認知度を高め議論を深めるべきだ。マスメディアは問題を客観的に記録し公開すべきだ。
- 日本国内および世界の人権団体はこの問題に言及し、もっと多くの被害者が声を大にして事態の打開に必要な情報を公開し、また責任の所在を明らかにしていくべきだ。日本や世界の人権NGOは、日本政府が同意している人権擁護義務を政府自身が遵守できるよう支援すべきだ。
- 国内および世界のNGOは、国連の普遍的定期的レビュー(UPR)のプロセスに提出するため、また宗教の自由に関する国連特別報告官に提出するため、さらに市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)に準拠しているか否かの審査が日本に対して実施されるのに先だち国連人権委員会に提出するため、報告書を作成すべきである。
国際社会に対して
- 日本と双務的関係を持つ国々は、日本が国民を犯罪から保護できないでいることに懸念を表明すべきだ。特に米国国務省と欧州連合は、日本政府との折衝の際や報告書の中で、この問題に言及すべきだ。米国の「国際宗教自由委員会」は、この問題に適切な関心を注ぐべきである。
- 国連の加盟国は、UPRプロセスで日本の人権状況を審査する際に、この問題を取り上げるべきだ。国連人権委員会は「規約」に関する日本の遵守状況を次に審査する際に、この問題に集中すべきだ。
- 宗教・信条の自由に関する国連特別報告官は日本を訪れ、宗教団体のメンバーが拉致され、しかもその犯罪が取り締まられていない状況を調査し、この問題を人権理事会に報告すべきである。
Copyright Human Rights Without Frontiers
【人権NGO「国境なき人権」について】
ベルギーのブリュッセルに本部を置く「国境なき人権」(1989年創設)は、欧州で最も権威ある人権団体のひとつに挙げられます。
創設当初より、人権状況の監視・調査、民主主義と法による統治の促進に焦点を当ててきました。
過去には、2009年の国連人権理事会「普遍的定期審査(UPR)」において『朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に関する報告書』を提出し注目を集め、信教の自由の分野では、韓国のエホバの証人に対する兵役拒否の宗教的権利の剥奪や、中国の法輪功に対する弾圧などの調査報告を行っています。
最近重点的に取り扱っているテーマには、宗教の自由、人身売買、少数言語の問題、子供の権利などがあります。
【国境なき人権 報告書『日本 棄教を目的とした拉致と拘束』解説】
―以下『日本宗教の闇』室生忠著 348~349pより引用-
まず注目すべきは、「国境なき人権」という特定宗教と特別の関係にない権威ある第三者機関によって、 日本における「棄教を目的とした拉致と拘束」 の実在とその実態が明確に認定された事実である。
報告冒頭の『論点の整理』は、次のように始まっている。
また、日本の警察と司法当局が、そのような形の家庭内暴力について、加害者の捜査も起訴もしていない状況も説明した。
拉致行為の被害者が法の下の平等な保護を受けられず、加害者が法的責任を問われない実情は、 日本国民が憲法で保障されている権利の侵害であり、日本が国家として国際的義務として負っている人権基準への重大な侵害である〉
これまでも日本の拉致監禁問題は、 米国務省が 1999年から米連邦議会に提出している「国際宗教自由報告書」や各種の有力人権機関のウェブサイトで取り上げられてきた。
しかしいすれも、その前提として「統一教会の訴えによれば」「統一教会によれば」といった枕詞を付されているのが常だった。
権威ある第三者機関による拉致監禁・強制改宗問題の「認定」
例えば、2010年2月、当の「国境なき人権」が「このほど国連人権理会に、日本の拉致監禁・強制改宗問題について正式な意見書が提出された」という趣旨のニューズレターを配信したが、そのときも“UPFの報告によれば”となっていた。
UPF (ユニバーサル・ピース・フェデレーション) は、国連に意見書を提出する権利を有している家庭連合系の国連NGOだ。
その「意見書」は人権理事会への正式な申し立て文書として保管されることにはなったものの、”統一教会側の主張によれば“という色彩は免れなかった。
拉致監禁虚構派は常にこの点を衝いて、”拉致監禁の実在を確認、認定している客観的な人権団体は存在しない。
統一教会の主張にすぎない“と抗弁し続けてきた。つまり今回、権威ある第三者機関として「国境なき人権」が、日本の「棄教を目的とした拉致と拘朿」の実在を明確に認定したことは、決定的な意味を持ってくるのである。
打開に必要な「黒船」:日本の後進性への指摘
レポート『日本:棄教を目的とした拉致と拘束』を概観していこう。冒頭の『論点の整理』に続く、第一章『はじめに』(筆者・アーロン・ローズ元国際ヘルシンキ人権連合事務総長) の鋭い指摘は以下の部分だ。
〈この問題を分析し、人権問題の文献として世に間うために、「国境なき人権」が選ばれたのは、他の独立系の人権団体よりも信教の自由に関する分野に強く、 経験が豊かであり、 客観的で科学的な仕事ができるとの公正な評価を得ていたからである。
2010年の訪日中(注・2010年7月~8月の「ヨーロッパ指導者会議及び事実調査旅行」のこと)に面会した国会議員の一人は、拉致・監禁問題を打開するには、「黒船が必要だ!」と発言した。
「黒船」とは1853年に来航したペリー提督率いる米国艦隊のことで、それが日本を開国させ近代化を促すきっかけになった。(訳注:同議員は、同様の外圧がなければこの問題を発展させるのは難しいとの認識を示したものである)そうした発言を聞くと、日本独持の文化がいかに執拗であるか、あきらめにも似た感情に襲われる〉
ローズの観察と認識によれば、信教の自由をめぐる日本社会の現状は、その打開のために政治、警察・検察、司法、マスメディア、国内人権団体のすべての分野において、強力な“外圧”を必要とするほど“執拗”な後進性に冒されているというのである。
本ウエブサイトでも順次、レポートに基づく記事を書いてまいります。











