4300人の信者が「拉致監禁」され、強制棄教の恐怖と闘った 余りに過酷な現実

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親から脱会屋への謝礼・費用支払い「400万~1000万円か」

脱会屋(キリスト教牧師を含む)は拉致監禁を行っていることを秘匿事項とし、ましてや両親から謝礼をもらっていることをひた隠しにしてきた。たとえ金銭をもらっていても「もらっていません」と偽証することさえある。

そこで、本稿では「謝礼をもらっている事実」があり「実質的な拉致監禁ビジネス」であることを、客観的資料や関係者証言をもとにまとめてみる。

 

第三者機関「NGO国境なき人権」による調査結果

 

客観的事実を提示する上では、NGO「国境なき人権」による調査報告書が最も適切であろう。

 

この調査報告書は、拉致監禁被害者はもちろん、拉致監禁(保護説得)に関わった親、牧師、弁護士、ジャーナリスト、元国会議員、宗教学者など、できる限り客観的で信頼できる多様な関係者へ直接ヒヤリングしてまとめられたものだ(2012年発行)。以下はこの報告書の引用である。

救出作戦の代価

子供への愛情から、親たちは多額のお金を用意する。「国境なき人権」は拉致・監禁・脱会説得に費やされた金額について正確な情報を得られなかった。しかし車両レンタルや、どれだけの期間を要するか分からない監禁のためのアパートや家の賃借り、住居リフォームなど、出費は半端ではない。

加えて「国境なき人権」は、脱会説得に携わる人たちが親から謝礼を受け取っているとの証言を得た。その確認をとるのは難しかったが、ケースバイケースで金額は400万円から1000万円までだという(注)。

ジャーナリストの米本氏が警察から漏れ聞いたところでは、平均で400万円程度である。同氏は反統一教会牧師から、宗教的動機・背景を持たない脱会カウンセラーの一人が、信者の母親に一連の脱会説得の費用として1000万円の報酬を示唆したという情報を得た。

大阪高等裁判所が2002年に下した判決は、エホバの証人の信者S.S.さん(女性)の、自分を監禁した牧師に関する以下の供述を引用している。「彼は、いわば強制改宗請負業者として、活動費の名目で高額の報酬を受けて、エホバの証人を監禁して棄教強要する業務に従事しているものであり」。エホバの証人日本支部に残る記録では、この被害者の言葉として1万ドル相当(約132万円)の金額が記されていた。

「国境なき人権」が入手した興味深い文書の中に、1996年に川嶋英雄氏に祖母から送られた手紙がある。その中で祖母は川嶋氏を「救出するため」(失敗に終わったが)の費用を賄うため、川嶋氏の両親に「478万円を出してあげた」と書いている。

注) K・Mさん(女性)は二度拉致され、それぞれ6カ月と29カ月間監禁されたが、彼女によると脱会屋・宮村峻が救出のために受け取る謝礼の相場は4万ユーロ(報告書発表時点で、1ユーロ=約100円)だという。S・Hさん(女性)の親は牧師や脱会カウンセラーに定期的に相当の金額が入った封筒を渡していた。S・Hさんは母親の手帳に、両親が叔父から約3万ユーロを借用した記録を見つけている。
 

 

両親が脱会屋に金銭を支払っていた証言の数々

 

国境なき人権の調査レポートでも十分かもしれないが、証拠は多い方が良い。本欄に、金銭に関わる証言・証拠を追記していきます。記載がない場合には、問い合わせフォームから、情報提供をいただけると有難いです。

 

脱会屋を訴えた裁判の判決文より

 


脱会屋 高澤守牧師に両親から300万円が振り込まれていたことを、裁判所が事実認定

 

脱会屋・牧師に金銭を支払った両親の証言映像

 

韓国TV局が事実確認のため、拉致監禁被害者の親と脱会屋を取材した映像

親:(拉致監禁・強制棄教への謝礼は) 随分かかりましたよ。お金のことは言いたくありません。
脱会屋:いや、お金はかからないです。
 
 

 

もう一つの家庭(父親が娘の拉致監禁をしたことを後悔)の証言も実態を知る上でぜひご覧ください。韓国TV局SBSのインタビューに勇気をもって応えて下さった親子の方に心から感謝いたします。

 

「我らの不快な隣人」の謝礼に関する記載

 

米本和広氏著「我らの不快な隣人」でも謝礼に関する記載がありました。TV取材で「お金はかかりません」と証言(偽証!?)していた脱会屋 清水牧師が実は金銭を受領していました。

該当部分は以下で読めますので是非ご覧ください。

本をめくるように読んでいただけます。(PDF版で読む

麻子さんの両親の証言
母親「小分けに請求され、最低165万円は支払った。黒鳥牧師からは『私がお金をもらっていることは、お子さんに内緒にしておいてください』と念を押されていた」
父親「(継続的に徴収する手口など)上手に商売している
同時期に勉強会に参加していた二〇数人の信者の親が同じ金額を支払っていたとすれば三千万円以上になる。 

ある母親の証言
「(脱会屋の)清水先生に『謝礼金はいかはど』と聞いたことがあります。そのときには『気持ちの問題ですよ。そういえば一〇〇万円を払った人もいたなあ』とおっしゃっていた(笑)」
この母親が清水牧師に直接手渡したお金は65万円。清水牧師が説得した数は50人以上、平均20万円だとすると1千万円になる。

 

後藤徹さんの兄嫁「あんた、この部屋を維持するのにどれだけお金が掛かっていると思っているの!」

また、米本和広氏は後藤徹氏との対談のなかで以下のように語っている(出典:日本収容所列島 P261~P264)
◆後藤さんの刑事告訴を受けて私のところに事情聴取にやってきた刑事さんは「家族はこれまでに一億円もかかった。これ以上の出費はできないから追い出したと供述していた」と語っていました。

◆後藤さんの陳述書によれば、監禁解放の三カ月前に、兄嫁さんが後藤さんにこうヒステリックに語っている。「あんた、この部屋を維持するのにどれだけお金が掛かっていると思っているの」。 悲痛な叫びだったと思いますよ。松永牧師や宮村氏は応分の負担をすべきだと思います。

後藤徹代表
最初、両親は統一教会に関して、何も知りませんでした。そして、脱会の専門家たちにより統一教会に対する悪い情報のみを一方的に教育され、不安を煽られた末に、彼らのアドバイスに従って、拉致監禁による脱会説得に踏み切ったのです。

◆その結果、家族はメチャクチャになってしまいました。私は、特に何も知らなかった両親に対し、拉致監禁という方法を教え込んだであろう宮村峻氏はじめ脱会説得者たちを絶対に許すことができません。ある意味、うちの家族全員、背後にあって拉致監禁を教唆した首謀者たちの犠牲者であると思っています。

 

「我らの不快な隣人」は拉致監禁の実態を暴き社会に衝撃を与えた一冊となっています。

 

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